9月4日の ザ・世界仰天ニュースで赤色アレルギーが特集されます。
赤色アレルギーって何?
アレルゲンが昆虫って!?
食品添加物の色素にムシが使われていたなんて驚きです。早速調べてみました。
目次
コチニール色素とは
コチニール色素という着色料があるのは知っていましたが
まさかエンジムシ(コチニールカイガラムシ)という昆虫から作られた色素だったとはびっくりです。
コチニール色素または、カルミンレッドK、カルミンレッドMK-40、カルミンレッドKL-80、クリムゾンレーキ、ナチュラルレッド4、C.I. 75470、E120は、染料あるいは食品添加物として使用される赤色の色素である。カルミン酸のアルミニウム塩として得られる。
コチニール色素 - Wikipedia
気持ち悪いですよね?
こんな虫の汁を、知らないうちに食べてたなんて食品メーカーひどい、と言いたくなるのも無理はありません。
着色料として赤い口紅、アイシャドーや
食品添加物としてイチゴミルクのピンク色やかまぼこの赤い色などに
広く使われています。
コチニールカイガラムシの産地は?
コチニールカイガラムシは中南米のペルー、エクアドル、チリ、メキシコが主要な産地で、他にケニア、西インド諸島、カナリア諸島、スペインなどでが主な生産地です。
サボテンに寄生しその樹液を吸って生きる虫で、ペルーでは世界の80%を生産しています。特にウチワサボテン属ベコニイチジク<オプンティオ コクシニフェラ><オプンティオ ツナ>というサボテンだけに生息します。
コチニールカイガラムシの生産方法は?
この赤い色素はコチニールのメスにしか含まれません。雨季が終わったら他の場所で飼育していたコチニール虫のメスをサボテンの上にのせます。
するとすぐに卵を生み始めます。卵からかえった幼虫はサボテンを繭のような糸を出して覆い始めます。コチニール虫はオスの数が極めて少なく、メスは卵をもつと2倍に膨らみます。
そのメスが卵を生む前、人間が手で刷毛を使ってかき集め、熱湯で煮沸した後、天日で乾燥させたものが原料となります。
乾燥したコチニールを水やエタノールで抽出したものがコチニール色素となります。
コチニール色素は安全なの?アレルギーは大丈夫?
2012年に消費者庁から注意喚起がなされました。
アレルギー:着色料「コチニール」で発症の恐れ…消費者庁
加工食品や飲料、化粧品などに広く使われている着色料「コチニール」の摂取で、呼吸困難などの急性アレルギー反応が起きる可能性がある
として、消費者庁が注意を呼びかけている。同庁が食品添加物のアレルギー発症で注意を喚起するのは初めて。厚生労働省もコチニール入り製
品を扱う全国の事業者に、発症事例があれば報告するよう通知した。
毎日新聞 2012年05月15日より
ですが消費者庁のこのページは現在は削除されているようです。
内閣府食品安全委員会事務局から「コチニール色素に関する情報」として出された文書がありましたので貼り付けておきます。
2012年に注意喚起がなされたのは、当時の
20代の女性が果実酒を飲んだあと全身の膨疹、アナフィラキシーショック(吐き気、全 身倦怠感、血圧低 下、発汗)、腹痛
を起こした事件があったからのようです。
因果関係としてはコチニール色素によるプリックテストで 陽性
となったため、原因物質が落ちニール色素と特定されました。この時点まで、日本でコチニール色素によるアレルギーは報告されていなかったことから注意喚起となったのですね。
この年にもう1件アレルギーが報告されています。
40代の女性が清涼飲料水を飲んだあと、足の発疹、血圧低下
を起こしたというものです。
この人はコチニール色素によるプリックテストは 実施しなかったのですが、その商品を初めて、また単独で飲用し、上記の症状を発症したため、 コチニール色素を原因としたアレルギー の可能性があるとされました。
アレルギーは人によってアレルゲンが異なり、またアレルゲンに反応する度合いも違うので一概には言えないと思いますが、食品添加物については常に動きがあり新しい情報も日々更新されていて、今のところ安全ということになってはいるようです。
何が危険って、ピーナツや蕎麦でアナフィラキシーショックが起きる人も普通におられるわけで、摂取する人にとって何がアレルゲンになるかわからないから怖いですよね。
女性に多い赤色アレルギー?!
消費者庁が問題にしているのはコチニール色素のほかカルミンだといいます。
エンジムシからカルミン酸を抽出し、アルミニウムを結合させてカルミンを製造する段階で、どうしても、虫にもともと含まれていたタンパク質が一緒にくっ付いてしまいやすく、カルミンは食品添加物であるコチニール色素に比べて、はるかにタンパク質が混入しやすい、というのです。つまり、アレルギー症状をより引き起こしやすい、ということです。
日本ではカルミンは食品添加物として許可されていないのですが、諸外国では天然着色料として広く使われていて、食品安全委員会添加物専門調査会で、リスク評価の審議が行われているところだそうです。
一方で、化粧品には日本も諸外国と同じように、大手ブランドの口紅などに、ごく一般的にカルミンは使用されています。
そしてコチニール色素による食物アレルギー発症者の多くは20歳代~50歳代の女性で、男性は非常に少ないということがわかっているというのですが、それがどういうことなのかというと、
化粧品に使われているカルミンを普段から連日のように皮膚に塗ることでごく一部の人は体がそのタンパク質に対して敏感な状態になり、その後に、食べ物でコチニール色素を摂取して、急性症状であるアナフィラキシーになる
のではないかと考えられているそうです。
こうやって見てくると、少し怖い気がしますが、様々な検査により安全性評価が高く、多くの人にとっては安全な着色料であると言えるということです。
虫だからという理由で嫌われるコチニール色素
そうはいってもやはり上の画像のように見た目も気持ち良いものではないという理由で嫌われてしまうということもあると思います。
管理人まるこも虫が得意な方ではないので画像を見て、多少なりともショックを受けた一人です。子供の頃好きでよく飲んでいた「いちご牛乳」にもそう言えばコチニール色素って書いてあったと思い出し、これからは食品を買う時はもっと気を付けて添加物の欄をよく見て買おう、と思い直しました。
スタバでコチニール色素の使用をやめた理由は?
FDA(米食品医薬品局)はコチニール色素の安全性にお墨付きを与えていますが、WHO(世界保健機関)では一部の人に喘息やアレルギー反応が出る場合があると警告しています。
スターバックスでは、2012年、自社商品に含まれる人工物を最小限にすることを目標としているとの理由から、「天然」由来であるコチニール色素をストロベリーフラペチーノにも使用していることを発表しました。ですがのちに、欧米ではベジタリアンの人にとって、虫由来のものは口にすることができないことから相当数のクレームがあったと見られ、段階的にコチニール色素の使用を取りやめると発表しています。
安全性の問題ではなく、このスターバックスの件に関しては欧米では菜食主義の人が宗教的理由からも一定数以上いることがあり、そういった「消費者の期待に反していた」という理由から使用をやめたのですね。
まとめ
いかがでしたか?
アレルギー、特にアナフィラキシーショックは本当に怖いですから何としても避けたいですが、赤色アレルギーを知ったことで少しでも日常で気を付けてもらうきっかけになれば嬉しいです*
コメント