熊澤英一郎の両親は毒親だった!?【元エリート官僚一家のゆがんだ家族関係】とは?追記:実刑6年の判決

事件

元農水次官熊澤英明が自身の息子英一郎さんを殺害した事件。

被疑者である熊澤英明を擁護する意見もある中、母親は一切表に出てきていません。

生前英一郎さんが母親に対して殺意を抱いている旨のツイートをかなりしていたことも話題になっていますが、果たして母親はどんな人物だったのでしょうか。

目次

勉強をしないと玩具を壊す教育方針だった?!

英一郎さんはツイッターに2011年の7月に登録後、毎日何十回も<ドラクエ10ステラ髪DQX>としてつぶやいていました。

エルガイムMK-Ⅱ

そして、「子供の頃怖かったもの」というツイートでは過去のようにつぶやいています。

これらのつぶやきを見ると、成績が悪ければ母親によって本人が大事にしていたと見られる「エルガイムMK-Ⅱのプラモ」をためらいもなく壊すという仕打ちを受けていたらしいです。

熊澤英一郎さんはただひきこもっていたのではなくアスペルガー症候群・統合失調症だった

また気になるのは次のツイートです。

つまり英一郎さんは生まれた時から自閉症だったわけで、そのことによって小・中学生時代いじめを受けていた、そしてそのことがさらに統合失調症の発症につながった、とも取れます。

下記にアスペルガー症候群について記しておきます。

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」のひとつのタイプです。最初に症例を報告したハンス・アスペルガーというオーストリアの小児科医の名前にちなんでつけられました。アスペルガー症候群は、自閉症の3つの特徴のうち「対人関係の障害」と「パターン化した興味や活動」の2つの特徴を有し、コミュニケーションの目立った障害がないとされている障害です。言葉の発達の遅れがないというところが自閉症と違うところです。知的発達に遅れのある人はほとんどいません。

アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群の特徴は融通がきかない、正直すぎる、同年齢の子供と波長が合わない(年上にリードされたがったり年下をリードしたりを好む傾向)、あいまいが苦手、言外の意味を汲み取ることが苦手、駄洒落を好む、音への敏感さ、視覚的敏感さ、など様々な特徴があるといいます。

小学校の運動会の音がうるさいと言ったのは音への敏感さが原因だったのでは?

生まれながらに自閉症(アスペルガー症候群)を患っていた英一郎さんを、両親、特に専業主婦と思われる母親が理解していたのか、理解しようとしていたのか、疑問に思います。

すでに44歳になっていた今では、もうどうしようもなかったとしか言えません。でも、小さい時から、両親はこの疾患に理解を示そうとしていたのでしょうか。

それともエリート官僚一家という世間で作られたイメージの中で、英一郎さんをただ疎ましく思っていたのでしょうか?

「アスペルガー症候群の子供の接し方」から思う

アスペルガー症候群の子どもとの接し方

 援助の基本方針はまずアスペルガー症候群を理解するということです。アスペルガー症候群の子どもは社会性、コミュニケーション、想像力の3領域に障害があります。困った、不適切な行動、風変わりな行動をとったとしても、「わざとやっている」とか「ふざけている」とかとらないで下さい。そのような行動の多くはアスペルガー症候群特有のハンディキャップのために生じているのです。

東京都自閉症協会H.Pよりhttp://www.autism.jp/knowledge/whatisas/web-j.html

子どものこだわり、関心事は矯正するより何かに生かす方向で考えましょう

 アスペルガー症候群の子どもの関心事というのは大人が変えようと思ってもなかなか変わりません。でも自然に関心ごとが移っていくことは意外に多いのです。例えば電車に強い関心があれば、駅名から漢字を覚えるとか路線図から地理の勉強につなげていくとか、電車の構造から理科の勉強につなげていけないかなどと、子どもの興味を良い方向に伸ばすように考えてみましょう。
 大人を試すような行動をする場合にも冷静に対応しましょう。

東京都自閉症協会H.Pよりhttp://www.autism.jp/knowledge/whatisas/web-j.html

 わざとのように困った行動をして、教師や親がどこまで許容するか「試す」ように見える子どももいます。しかし、こういった行動は本当に「わざと」やっているわけではなくて「周囲が困る」ということの認識不足のことが多いのです。つまり相手の気持ちを理解することの障害から現れてくる行動なのです。やっていいことと悪いことを明白なルールとして、子どもが理解しやすいように文字や言葉で繰り返し冷静に穏やかに伝えていくようにするのが結局は一番の早道です。

東京都自閉症協会H.Pよりhttp://www.autism.jp/knowledge/whatisas/web-j.html

つまり、英一郎さんが興味やこだわりを強く持っていた「アニメ」や「ゲーム」の世界を取り上げよう、やめさせよう、とすることがどうだったのか。

また勉強をしなかったり成績が悪かったりすると否応無しに大事にしていた玩具を壊すといった厳しい接し方が、果たしてどうだったのかということです。

またさらに英一郎さんは二十歳で統合失調症を発症していたのに、詳しく何歳からかはわかりませんが、今回殺害される10日ほど前に自宅に戻るまでかなり長いこと一人暮らしをしていたようです。

そんな状態の人間が一人暮らしをすれば些細なことで近隣住民と摩擦を起こすことは目に見えています。

今回はゴミ出しのことで近隣の人ともめたことが原因で自宅に戻ってきたということでした。

それなのに一人暮らしをさせた両親。むしろ統合失調症ということで、治療のため入院させるべきだったのではないでしょうか。

エリート一家と言われた親が出した辛すぎる答え、そして終わりに

熊澤英明とその妻と思われる女性

父親の熊澤英明は元エリート官僚だったこともあり、英一郎さんのことを誰にも相談できず、一人で息子の家庭内暴力を長年抱え込んでいたように見えます。そして76歳になった今、自分より力も強い息子の、妻や自分への暴力にどうしようもなくなってついに行動に移してしまったのでしょうか。

つい先日の「川崎の児童殺傷事件を見て息子が誰かに危害を加えるかもしれないと思った」と熊澤英明は言っているそうですが、あの事件の岩崎隆一は病気ではありませんでした。

けれども英一郎さんが家庭で両親に暴力を振るうことになったきっかけを思った時、もっと早い時期に、つまり幼少期に両親がなんとかできなかったのかと思わずにはいられません。

息子の病気を理解し、幼少期から最もそばにいたであろう母親が息子の個性を認め、母親こその優しい声がけをすることはできなかったのでしょうか。

親としては付き合いにくい息子だったでしょう。よくわかります。けれども経済的には恵まれていたはずの熊澤家で、息子の個性を認め、子供時代から相応しい支援をしてやることはできなかったのでしょうか。

自閉症の息子に、父親のように東大に行かせたかったとでもいうのでしょうか。

ハンデを抱えた幼い息子を恐怖で縛り、強い興味を持っていた世界を取り上げ無理やり勉強させる教育方針がよかったなんて誰が言えるでしょう。

こう見てくると、毒親だったと言われてもしかたなかったと思えてしまいます。

本当に今回の事件は辛すぎる痛ましい事件でした。

追記

12月16日父熊沢英昭に懲役6年の判決が下されました。

今回、裁判でわかったことは、英一郎さんには妹がいて、5年くらい前に自殺していたということです。

自殺した当時20代だったということなので、5年前といえば英一郎さんが39歳ですので、10歳以上歳の離れた妹だったと思われます。

その妹に縁談の話があったのだけれども、「変な兄がいる」との理由で破談になり、それを苦にして自殺したということでした。

このことを初めて知り、こんなにも壊れた、悲しい家族があるのかと本当にいたたまれない気持ちになりました。

専業主婦である母親は英一郎さんが15歳くらいの頃からうつ病を患っていたといいます。

英一郎さんは殺される数日前にリビングで、

「お父さんは東大出てなんでも思い通りになっていいよね。自分の44年間は一体なんだったんだ」

と床に突っ伏して号泣したそうです。

その時に父親の英昭さんは

「部屋のゴミを片付けないとな」

と息子が言ったことをスルーしたそうで、そのことに英一郎さんが激怒、

「あんたたちエリートは俺をバカにしている、ぶっ殺してやる」

と父親の髪を引っ張りテーブルに叩きつけたそうです。

これを聞くと、確かにどうしようもないように思えますよね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

父親はそれまで何度となく息子と電話やSNSで連絡を取り、彼なりに寄り添ってきたつもりだったと思います。

けれど、狂った息子に、心の中では化け物のように思って接してきたのかもしれません。

英一郎さんはツイッターなどでも父親を自慢するような言葉がしばしばあり、少なくとも尊敬の念を持っていたと思われます。

その父親は、息子を認めるような発言をしたことが一度でもあったのかな、と思うのです。

父親が息子を認める発言をして、お前がどんな病気や特徴を生まれながらに背負ってきた息子だったとしても、お前は私の息子だよ、それだけで十分なんだ、というメッセージを英一郎さんが過去に受け取れていたとしたら、ここまでひどくなっていなかったのでは、とも思うのです。

けれども、日本には、英一郎さんが思春期だった頃にはこういった場合に助けを求められる公なり民間の機関がほぼ存在していなかったと思われます。

なので英昭さんは、近しい人や仲の良かった知的障害者のお子さんを持つ後輩にさえ自分の悩みは話していなかったということです。

なぜ気を許していた人間にも一言も自分の数十年来の悩みを打ち明けられなかったのでしょう。

高級官僚としてのプライドが邪魔をしたのか、恥だと思っていたのか、あるいは家族のことは家族で解決しなければならないとただひたすら感じていたのでしょうか。

ひきこもりなどの問題を家族だけで解決するのは無理

日本では今現在10代から中高年まで含めおよそ100万人もの引きこもりの人がいるといいます。

中には心の病気を患っている人や、病気ではない人、様々な人がいて、理由も様々だと思います。

ただ、もう、それを家族だけで解決しろという日本的なこれまでのやり方では何の解決にもならないだろうし、英昭さんのような父親が今後増え続けることになりかねないと思います。

今回は実刑判決が出ましたが、仮に執行猶予がついたりなどしていたら、「家族でそういうどうしようもない場合は殺しても仕方ない」とでも世間に受け取れかねなかったと思います。

社会が変わっていくためには、今回のような、家族ではどうしようもないとき、こんなことになる前に個人が助けを求められる公共の機関があるべきです。

またそういった機関で働く人が精神的に病んだりしないよう、充実した気持ちで働けるよう配慮されるべきです。

戦後焼け野原を突っ走ってきて日本を再生してきた人たちの子供の世代の人が、英一郎さんであり、100万人の多くを占めていると思われます。

日本は英昭さんの世代の人々によって見事に再生しましたが、先進国になったと思った80年代、けれども真の先進国になる手前でバブルがはじけ、今に至っています。

どんな問題も家族で解決しなさいなどという日本的なやり方はいい加減やめにして、公共の機関に助けを求めるのが当たり前の世の中になってほしい、と心から思います。

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